こんにちは、keityです。
今回は、MBAを独学で学ぶシリーズ④「カネ(会計・財務)」の教科書7選について
書いていきます。
このMBAの独学については、シリーズものでブログを書いています。
まず、MBAを独学で学ぶということで、7分野に分けて、代表的な教科書を
紹介しました。以下参照。

そして、分野ごとに細かく紹介していくシリーズとして、
「MBAを独学で学ぶシリーズ①「経営全般」の教科書6選」

「MBAを独学で学ぶシリーズ②「人」の教科書6選」

「MBAを独学で学ぶシリーズ③「モノ」の教科書4選」

を書いてきました。
今回はシリーズ④として、「カネ(会計・財務)」についての教科書を紹介していきます。
企業分析入門
クリシュナ・G・パレフ/ポール・M・ヒーリー/ビクター・L・バーナード著。
会計領域全体の体系書。
財務諸表を利用した企業分析に関するバイブルと言われる本書は、会計情報を企業分析と企業評価に適用するための枠組みを提供する。
■要旨
財務諸表を利用して、企業分析を行うステップは、①経営戦略分析、②会計分析、③財務分析、④将来性分析の4つに分けられる。
①経営戦略分析では(a.産業分析、b.競争戦略分析、c.企業戦略分析)では企業の収益決定要因や重要なリスクを明らかにすることができる。
②会計分析では、主に、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書のいわゆる財務三表を利用して行われる。「資産の分析」「負債・持分の分析」「収益の分析」「費用の分析」「会計エンティティ分析」。
③財務分析では、財務数値を利用して、企業の現在と過去の業績を比較し、その業績の持続性を評価することにある。比率分析とキャッシュフロー分析を紹介している。
④将来性分析は、「予測」「評価」の2段階に分かれている。「予測」は、先に行った経営戦略分析、会計分析、財務分析、から得られた将来の見通しを集約し、売上高、費用、利益、バランスシート項目、キャッシュフローを予測する。予想から企業価値を導く「評価」のステップでは、企業が将来どのくらいの企業価値になるかを予想する。
また、本書では、「株式分析、債券分析と財務危機の予測、企業買収、企業の財務政策、経営者による情報公開、など各意思決定場面において実在する5社の事例を使って一連の企業分析を行い、実践における深い理解を促す。
企業価値評価
マッキンゼーアンドカンパニー/トム・コープランド/ティム・コラー/ジャック・ミュリン著。
財務領域の企業価値に関する体系書。
株価は事業の価値、ひいては株主価値と連動しており、事業価値を向上しなければ株価は上昇しないというのがファイナンス理論の原点。本書では、企業価値がなぜ必要なのか、そしてそれをいかに管理していくか、企業価値の算定方法といった理論的フレームワークを押さえた上で、事例を使いながらどうすれば企業価値を創造する経営を行うことができるかについて論究している。
企業価値評価 第6版[上]―――バリュエーションの理論と実践
企業価値評価 第6版[下]―――バリュエーションの理論と実践
■要旨
企業価値を作り出し、管理する能力は経営を行う上で不可欠である。企業価値創造の本質は次の5つである。
①投下した資産が資本の機会費用を上回るリターンを生み出すことで価値が創造される。
②将来キャッシュフローもしくはエコノミックプロフィットの現在価値を最大化する戦略を取ることで、価値が創造される。
③ROIC(投下資本利益率)が資本コストを上回る限り成長により価値が創造される。
④株価というものは企業の将来の業績に対する市場の期待で決まる。しかし市場の期待は正確な業績予測によるものとは限らない。
⑤株主が得るリターンの大きさは、主として企業の将来の業績への期待と実績の格差で決まる。
コーポレート・ファイナンス
リチャード・ブリーリー/スチュワート・マイヤーズ著。
財務領域全体の体系書。
企業は、事業という実質資産への投資を行って価値を生み出し企業価値を増加させるが、コーポレート・ファイナンスの目的はまさにその企業価値を増大させることにある。本書では、この財務上の意思決定について包括的に、かつわかりやすく論じられており、財務担当者が企業環境の変化に対応し応用できる基礎理論が論じられている。
■要旨
企業は価値を増加させるために投資を行う。そのプロセスは、次のようにまとめられる。
①投資を行うために投資家・債権者から資金を調達する。
②調達した資金を価値を増大するような事業等に投資を実施する。
③投資から資金を回収する。
④その資金を返済・分配に充てる。
そこで価値を高めるためにはどのように資金を調達すればよいのか、価値を高める投資をどのように見極めればよいのか、価値を高めるにはどのような資本構成にすればよいのか、価値を高めるための収益の分配方法はどのように行うか、などが問題となるば、上記の問題すべてに解を与える網羅的な内容をわかりやすく体系的にまとめている。
ABCマネジメント革命
R・クーパー/R・S・カプラン/L・Sマイセル/E・モリッシー/R・M・オーム著。
管理会計の一つの概念に関する研究。
1980年代のアメリカ企業を取り巻く経営環境は、競争の激化により非常に厳しくなっており、戦略の立て直しやコストの削減を余儀なくされ、企業は製造・物流・販売など顧客への製品・サービスを提供するためにりようされる経営資源の消費に関して正確な情報を必要としていた。収益性の向上とコストの削減を図るための情報を提供するアクティビティー・ベース・コスティング(ABC)が注目を浴びるようになった。ABCを導入する際に参考にしたのがこの書籍である。
■要旨
ABCシステムの設計は、①アクティビティの明確化、②コストのアクティビティ別集計、③最終産物の明確化、④アクティビティ・コストの最終生産物別集計、という4つのステップを踏む。
EVA創造の経営
G・ベネット・スチュアートⅢ著。
企業価値向上の新たな指針に関する研究。
企業パフォーマンスを正しく測定するための尺度として開発されたのがEVA(経済的付加価値)である。単なる測定ツールとしての枠を超えた、戦略書といえるEVA関連書の原典。
■要旨
真の業績を示すものは、総資本利益率である。それは、税引き後営業利益を使用資本で割ることで計算される。利点は、資金調達方法が何であるかに関わらず、使用資本の生産性が測定でき、会計のゆがみの影響を受けないことである。
EVAが増加するのは、次の3つの場合である。①追加投資なしに営業利益が増加するとき、②新規投資がすべて資本コストを上回るリターンのプロジェクトに投資されたとき、③資本コストを下回るリターンの事業が譲渡もしくは精算されたとき。
リアル・オプション
トム・コープランド/ウラジミール・アンティカロフ著。
財務の新たな意思決定方法の一つに関する研究。
リアル・オプション分析では、将来の不確実性を加味し、経営判断に基づく将来のキャッシュフローの変化にも対応した形で投資の意思決定ができる。
決定版 リアル・オプション―戦略フレキシビリティと経営意思決定
■要旨
リアル・オプションとは、不確実な未来に対して、企業がとりうる戦略上の柔軟性をオプション理論で評価し、経営の意思決定を強力にサポートする画期的な手法である。
複雑で現実的なリアル・オプションとは、オプションの価値がほかのオプションに依存しているコンパウンド・オプションと、操業の開始や中止、操業形態の変更、業界への参入や撤退などをその保有者に可能にするスイッチング・オプションである。
リスク 神々への反逆
ピーター・バーンスタイン著。
財務の重要な概念である「リスク」に関する研究。
本書は、リスクに対して、人間がどのように挑戦してきたかを物語で示しており、その歴史を通じて、リスクの本質を語り、読者に未来をどのように展望したらよいかという示唆を与えている。リスクマネジメントの本質を学ぶ上で必読のバイブルと言える。
■要旨
筆者が言うリスク管理の本質は、「ある程度結果を制御できる領域を最大化する一方で、結果に対して全く制御が及ばず、結果と原因の関係が定かでない領域を最小化することにある」というところにある。つまり、現実の行動においても確率を考慮して行動すべきであるということを意味し、ビジネスを含む人間の活動にとって手引きとなることを説いている。
まとめ
今回紹介する書籍を読んでもらえれば、カネ(会計・財務)に関する知識は間違いなく習得できます。
また今回紹介した書籍は、簡単に理解できるものではありません。実務と合わせて、何度も読むものです。
今回は「MBAを独学で学ぶシリーズ④「カネ(会計・財務)」の教科書7選」という話題でした。
以上です。
コメント