こんにちは、keityです。
今回は、昨年から気になっていた書籍「転職の思考法」を読みましたので、レビューを書いていきます。
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
目次
第1章 仕事の寿命が切れる前に伸びる市場に身を晒せ
第2章 「転職は悪」は、努力を放棄し者の言い訳にすぎない
第3章 あなたがいなくなっても、確実に会社は回る
第4章 仕事はいつから「楽しくないもの」になったのだろうか
総評
転職するための方法が書かれているというより、今後の社会人のキャリアの積み方の指南という意味合いが強い書籍という印象です。(もちろん転職に役立つ情報も書いてあります。)
この意味で、現在から予測される企業や雇用を取り巻く環境を踏まえ、将来的に渡りどのようにキャリアというものを考え、働いていくかということを考えるには非常に参考になる書籍です。
一貫して書かれているのは、人材の「市場価値=マーケットバリュー」が重要ということです。会社に勤務していようが、フリーで働いていようが、市場価値が高ければ望む仕事をして、生きていくことができるというように読み解けます。
シンプルですが、本質的だと感じます。転職の基準もどのように市場価値を高めていくかという軸を持っていれば、選択に迷うことも少なくなるでしょう。そのような自分のキャリアの軸を作るための、今どきの考え方が紹介されています。20代~30代前半のうちに、この書籍の情報に触れていくことは有益です。
しかしながら、外の市場価値にばかり気を取られて、目の前の仕事に集中して取り組まないということは避けなければなりません。自分がやりたい仕事ばかり探していても、「信頼」がなければ仕事は依頼されません。
ということで、個人的には、キャリアを考える上で、下記の2つのバランスをとることが重要だと考えています。
「将来的なキャリアの広がりや繋がり・ストーリー性を持つということ」
「今の仕事を続けていけば、自分が考える将来的なキャリアに少なからず繋がる可能性があること」
そして、転職をする上では、さらにもう一つ追加で考えることがあります。
「今の状況から逃げるだけではないか」
逃げているか、逃げていないかという判断は最終的には自分で決めることです。しかし、自分自身でこの問いについて考えることは有益です。
内容まとめ
読んでいて、特に参考になると感じた内容をまとめておきます。
マーケットバリュー(市場価値)
【マーケットバリューは何によって決まるのか】
マーケットバリュー=技術資産×人的資産×業界の生産性
技術資産:他の会社でも通用する技術的蓄積。
職種に紐づく「専門性」(例:法人営業)
職種に紐づかない「経験」(例:マネジメント経験)
人的資産:人脈。あなただから動いてくれる人がどれだけいるか。
業界の生産性:一人当たりの粗利。
→(メモ)
マーケットバリュー=市場価値=給与の期待値であること。3つのバランスが重要だと感じます。業界の生産性については見落としがちに。業界自体の生産性が高いと給与の期待値もおのずと高くなる。技術資産や人的資産に目が行きがちだが、業界の生産性が高いところに属することも大事。
【自分のマーケットバリューを測るための9つの質問】
- 会社を変えても、価値あるスキルをどれだけ持っているか?
- そのスキルの「賞味期限」はいつまでか?
- 他の会社でも通用する「レアな経験」がどれだけあるか?その経験は、世の中からどれだけ「強いニーズ」があるか?
- 社内に、自分が会社を変えても、喜んで力を貸してくれる人が、どれだけ存在するか?その人物たちは、意思決定の力がどれだけあるか?
- 社外に、自分のために喜んで力を貸してくれる人物がどれだけ存在するか?その人物たちは、意思決定の力がどれだけあるか?
- 自分が所属しているマーケットの「一人当たりの生産性」はどれだけ高いか?
- 自分が所属しているマーケットに今後の「成長性」はあるか?
- 今後、どれだけ「自分の市場価値」は成長が見込まれるか?
→(メモ)
この質問に対してしっかり考えるだけでも大きく違いがあります。考えた結果、自分の期待値と異なっていれば、現状から変える必要があることがわかります。
【マーケットバリューの高め方】
- 20代は専門性、30代は経験、40代は人的資産でキャリアを作れ
- とくに出産を見据える女性は、福利厚生ではなく、専門性、経験を重視し、「いつでも戻れる状態」を確保せよ
- 「業界の生産性」は市場により20倍違う。マーケットバリューに最も影響を与えるのは、間違いなく「業界の生産性」。技術資産も人的資産も乏しいなら、「生産性が高い業界」か「エスカレーターが上を向いている(今後伸びる)業界」を選べ
→(メモ)
「とくに出産を見据える~」という文章ですが、男女問わず、今後は専門性と経験を重視した方が結果長く働くことができると感じます。
仕事のライフサイクル
- すべての仕事は、ライフサイクルに沿って生まれては消えていく。
- ライフサイクルは、「代替可能性」と「イス(雇用の数)」の2軸で考えられる。
以下の順番でサイクルが回る
①ニッチ:
始める人。ほかにやっている人が少ないので、代替可能性は低いが、まだイスの数も少ない。
②スター:
儲かることに目を付け、どんどん同じ仕事をする人が増えていく。会社は仕事のプロセスを分解し、再現性を確保しようとする。
③ルーティンワーク:
誰でもできるレベルまでプロセスが汎用化され、一気に代替可能性が高まった状態。
④消滅:
「③の代替可能な人を大量に雇っている状態」を嫌った会社がテクノロジーにより人を代替し、イスの数が激減する。1社だけでなく業界全体が利益を減らしていく。
伸びている業界に身を置くことは、それだけで価値がある(後追いで参入する企業にとって、価値ある人材となる)。逆に、いかに技術資産が高くとも、衰退する業界にいては、マーケットバリューは減りゆくばかり。
これから伸びるマーケットを見つける2つの方法
方法①:複数のベンチャーが参入し、各社が伸びているサービスに注目する。
方法②:既存業界の非効率を突くロジックに着目する。
→(メモ)
これは有益な考え方。100万人が参加しているゲームで一番を目指すのではなく、いずれ100万人が参加するゲームに一番乗りをすること。
仕事における楽しみについて
【being型と to do型】
- 人間には、「何をするか」に重きをおくto do型の人間と、「どんな人でありたいか、どんな状態でありたいか」を重視するbeing型の人間がいる。
- 99%の人間はbeing型である。だから、「心からやりたいこと」がなくても悲観する必要はまったくない。
【being型の人間にとって重要な2つの状態】
being型に必要な状態は仕事をRPGとして考えるとわかりやすい。
1、自分の状態・・・主人公は適切な強さか。主人公は信頼できるか。
2、環境の状態・・・緊張と緩和のバランスは心地よい状態か
まとめ
転職の思考法のレビューでした。とても読みやすく理解しやすい書籍です。
様々な選択肢の中から自分が望むキャリアを選択することができ、いきいきと働くことができる社会になればと感じています。
会社と本人の努力が必要なのだと考えています。
まずは個人からと変わると考えてときに、この書籍は非常に有益な情報を提供してくれます。
「「転職の思考法」を読んで考えたことと内容まとめ」という話題でした。
以上です。