こんにちは、keityです。
今回は、学歴フィルタと採用・就職活動について考察したいと思います。
前回下の記事を書きました。

学歴フィルタは、現在の採用・就活の環境では、構造的副産物であるという文章を書きました。これは、学歴フィルターが必要悪という意味合いもやや含んでいます。
今回はそのあたりを書いていきたいと思います。
少し大きなところから、まとめていき、最終的に学歴フィルターについてまで考察をしたいと思います。
1.日本の採用・就職活動(新卒)
日本では、大学等を卒業してすぐに就職する学生を採用する場合、企業は、ある程度の人数を固めて採用をします。「新卒は一括採用するもの=新卒一括採用」というようなイメージを持たれている方がほとんどだと思います。
一方、中途採用では、一括採用を行っている企業はほとんどないと思います。第2新卒と言われる層は異なりますが、中途社員の性質上、ほ一斉にとる必要性というのはなく、通年を通してほしい時に、採用するということになります。
多くの日本企業の人材獲得の考え方・方法は次のようになります。
新卒採用は、長期的に、組織が成長するように、また人員の構成を整えるように等の理由から、一斉に人員を数十名~数百名単位で補充します。企業は、長年かけて、その人材を育成していくことになります。長期に渡る教育や経験を経て、成長できるその人物のポテンシャルを踏まえて、ある程度多くの人数を確保するということになります。
つまり、新卒採用は、「ポテンシャル採用+一括採用」ということになります。
一方、中途採用は、その新卒では補えない部分を補充していきます。緊急性、専門性、経験を補うということが多いと思います。人数は必要なだけ採用しますが、機能を補充するためになるので、数名単位での募集になると思います。
つまり、中途採用は、「専門性・経験採用+随時採用」ということになります。
また、日本以外の国になるとまた様相が違ってきます。
通常、新卒・中途採用という区分というより、その仕事をすることができるかということに焦点が絞られます。
例えば、米国に関しては、新卒でも即戦力が求められます。勉強した内容が、直結する必要があります。そのため、米国は学歴重視で日本より「学歴社会」であると言われています。
また、即戦力が必要になることから、インターンも積極的に行われていて、ほとんどの学生が、高校・大学生時代を使って、インターンにも熱心に取り組むとのことです。
つまり、学生時代に自信のキャリアを深く考え、将来に直結する内容を学んでいるということです。また、即戦力でなければ、採用されないということも非常にハードルが高いように思います。学生は大学を卒業してから、インターンやアルバイト期間を通して、仕事を経験してから、責任あるポジションの職へ就くということも一般的なようです。
日本、米国ともに、良いところ、悪いところがあると私は思います。日本で育った私からすると、米国の方式には厳しさを感じます。それほど真剣に学生時代に将来の仕事について考えていたかというと、自分自身もそんなことはありません。
しかし、日本も今後はキャリアについての考え方は、もう少し小さいころから、真剣に考えるということが必要になると思います。これは日本全体で考えなければならないことだと思いますし、教育全体の話だと思います。高校、大学は何をするところなのかという再定義の話です。
話が大きくなりすぎましたので、次はポテンシャル採用・一括採用のメリット・デメリットを考えていきます。
2.ポテンシャル採用・一括採用のメリット・デメリット
それでは日本式の人材獲得方法のメリット・デメリットです。
学生、企業側のそれぞれの観点から考えてみます。
■学生のメリット
①実務経験がなく、専門的な勉強をしていなくても、ポテンシャルで、希望する職につくことができる/希望する会社に入社することができる。
②多くの人数が、正社員という雇用形態で、雇用される。
■学生のデメリット
①人気企業に応募が殺到するため、選考の倍率が高い。
②入社するタイミングが卒業してからのはじめの4月に限られることが多い。
→この流れから外れると、軌道修正が難しい。
■企業のメリット
①一定の人員を一斉に獲得することができる。
②働いたことがない学生を育成することで、企業の価値観や文化が浸透させやすい。
■企業のデメリット
①入社後、本当に活躍する人材なのか、ポテンシャルがあるかわからない。
②入社後、教育に時間がかかる。
③採用活動時期が決まっているので、意中の学生に当たる確率が低いため、多くの時間がかかる。
私自身は、日本のポテンシャル採用・一括採用は、学生・企業側にもメリットの方が大きいと考えています。採用活動・就活の双方無駄なところがあると思いますので、もっと効率化ははかることができると思いますが、それでも現在の方式は理にかなっている思います。
この日本方式でない場合は、働く・職を得るということに対して、さらにコストがかかる世の中になります。企業は人がほしくとも、大量には取れない、個人も安定した職を得ようとしても、企業をそれぞれ探さなければならないということです。
現在の日本の慣習となっている、新卒採用・就活は他国の方から見ると、不思議な部分はありますが、日本企業が成長と発展、法規制の中で編み出した、最もコストがかからないかつ効率的な方法なのではないかという人材調達方法なのだと思います。
しかし、今後はそれほど大量の人が一括でほしいかというとそのような企業も少なくなってくると思います。AIやシステム化が進むことによって、人が多くほしいということは段階的に減っていくことは確実です。
そのような意味で、日本式の採用活動・就活も変わる時期に差し掛かってきています。
3.なぜ学歴フィルターがあるのか。
私が思うに、採用の効率をあげるために、学歴フィルターがあると思います。
前述のとおり、そもそも日本方式の採用では、効率を上げて、ポテンシャルが高そうな学生を採りたいということが新卒採用での企業側のニーズです。
これを達成するには、効率を下げてはいけません。
学生に人気がある企業であればあるほど、効率的に行う方法を考えなければなりません。
それが、エントリーシートであったり、説明会エントリー時の学歴フィルターであったりするのです。
企業側もせっかく応募してくれる意思がある方には、全員会いたいというのが本音だと思います。
効率をあげるために、学歴フィルタ-を設定する企業もあるということになります。
また、なぜ「学歴」がはじめのフィルターになりえるのかが、非常に大事だと思います。
それは、企業側に、
「学歴=学生時代に頑張った結果の嘘が混じりにくい最有力事例」
という前提があるからだと思います。
中学、高校と非常に多感な時代に、勉強や部活、友人との交流等忙しい時間を過ごしながら、行うことの優先順位を決め、どのような結果を出す人物かということが一番正確に反映されている可能性が高いのが学歴です。そして学歴を偏差値でみると、平均よりどのぐらい学習力や努力が結果につながっているかをはかることができるのです。
勉強以外の活動も含めて、どのように努力をして、どのような成果を出し切れるのか、ということがわかります。
個人的には面接では、大学のサークルで~や、バイトが~のときよりも、大学受験の話の方が事実の判断としてはわかりやすい材料です。
そして、勉強というのは、性質上、会社での仕事・仕事での成長に似ている部分があります。
勉強=仕事として。それを行うことは、一定の義務感があり、すぐには成長できないが、結果を出すには毎日コツコツと取り組まなければならない。ほかに楽しいことがあっても期限があるのであれば、それをやり遂げなければならないもの。というように、非常に似ている部分があります。
つまり、学歴を見ることで、企業で入社したときのポテンシャルをはかることができ、それが当たっている確率がほかの事例よりやや高いということです。
ということで、学歴フィルターがはじめにフィルターになるにも、合理的な理由があります。
さらに、学歴には人物面も現れていると思います。コツコツと長い間努力して得た結果の可能性が高いのですから、時間が限られた中で、一定の成果を出すことができる人の確率が高いわけです。
今回は以上です。
コメント