こんにちは、keityです。
3月1日も過ぎ、いよいよ就活開始となりました。
我々企業側もいよいよ忙しくなってくる時期です。
さて、さっそく本日のテーマですが、本日は最近なにかと話題になっている、
学歴フィルターについて書いていきます。
下記のように、ヤフーニュースで取り上げられています。
記事の概要としては、「ある就職サイトで帝京大学の学生が、企業の説明会へエントリーをしようとしたところ、満席表示で予約ができず、自信のプロフィールを早稲田大学へ変更したところ、説明会の予約が受付中になった。これは「学歴フィルター」が明確にあったに違いない」、という話です。
さてまずは、学歴フィルターの定義から確認していきたいと思います。
(1)学歴フィルターとは
学歴フィルターの定義は、「就職活動で、入社を希望する者を採用か不採用か決める場合に、一定レベル以上の大学に在籍しているかという基準で決めること。」とします。
学歴フィルターは説明会参加やエントリーシートなどといった初期の段階で置かれていることが多く、求職者は人物面等の学歴以外の要素は相手に伝えることもできずに、大学名だけで不採用となってしまいます。
また、採用において学歴フィルターを導入していても、企業はそれを導入しているということは公言していない会社が多いと思います。採用においてこのようなことを基準としているという事が社会に知れ渡ったならば、この事から企業のイメージがダウンするというリスクがあるためだと思われます。
(2)学歴フィルターは違法なのか
さて学歴フィルターは違法なのでしょうか?
以下の記事が参考になります。
就活解禁・・・「学歴フィルター」を設けて学生を選別するのは違法?
こちらの記事の筆者である弁護士星正秀先生によると、
結論として、「学歴フィルター」は現状違法ではないと解釈して問題ないと思います。
記事にもあるとおり、有名な判例「三菱樹脂事件」があります。
以下、星先生の記事を引用します。
”三菱樹脂事件とは、学生運動をしていたのにしていないと嘘をついて採用試験に受かった人が後に学生運動をしていたことが判明してしまい、採用を取り消され、その取り消しが憲法に違反するとして訴えた事件です。
地方裁判所と高等裁判所は学生の思想信条の自由を重視して学生を勝たせましたが、最高裁は、企業の営業の自由(採用の自由も含まれます)を尊重し、企業を勝たせました。”
このように判例でもあるとおり、企業の採用の自由を広く認めています。
つまり「学歴フィルター」は違法ではないということです。
(3)学歴フィルターはなぜ話題になるのか
学歴フィルターが違法でない以上、なぜこれほど話題になるのか、不思議です。
私なりの考察ですが、以下4点に絞られるのではないかと思います。
①学生視点から。「選考を受けたかった企業なのに、受けれなかった。人物面を評価しないなんておかしい。悪い企業だ。」
②学生視点から。勧善懲悪ドラマ感の創造。「就活=企業が悪者、学生が弱者。悪者が隠しているものを弱者があばく。悪いことをしている企業を懲らしめよう。」
③世の中視点から。勧善懲悪ドラマが結構好き。
④学生視点から。少し角度を変えて。「何か噂されるもの、珍しいものを見つけたので、シェアしたい。みつけた私すごい。」
企業側は、学歴フィルターは、なんとなく自分たちが悪者になってしまう=イメージが下がってしまうので、学歴フィルターについては隠したいものなのだと思います。
隠されると見つけたくなってしまうし、見つけると騒ぎたくなります。
ここまで考えると、これは、昨今の不倫騒動と同じようなレベルです。
少し考えると、今回の情報のレベルで「学歴フィルター」で騒ぐことの矛盾もすぐわかります。
応募資格、大卒以上という企業が大半です。これは学歴フィルター以外の何物でもありません。もちろんこれも違法ではありません。
下りの報告をtwitterでした学生は、大学生ですが、専門学校の学生や高校3年生からしたら、「おいおい、そもそも、大学と専門卒・高卒で学歴フィルターあるのだが」と思う方もいると思います。
(4)学歴フィルタ-に対する個人的な意見
採用担当者、一個人としては、学歴フィルターの利用については、反対であり、現在所属している会社ではそれを利用していません。
それは、人となりをみて決めるということを大事にしているからです。これは企業の方針だからです。
しかしながら、違法でもないにも関わらず、イメージだけで「学歴フィルター=悪」と語られて、片付けられてしまうのはあまり良いことでないと感じています。
学歴フィルターは、採用効率の観点で致し方ない点があります。
企業側もイメージを落とす可能性がある方法をとっているにはそれなりの理由があるはずです。
学歴フィルターは、新卒学生に対する、現在の採用活動、就活環境においては、構造的副産物となっていると思います。
こちらも記事にしたいと思います。
今回は以上です。